そうだ、彼女の作品は、いつも、そんな新鮮さを帯びている。
それは、あたかも旧知の友に再会した時のようでもある。とても懐かしいが、何処か居心地が悪い居心地悪い。だけどやはり嬉しい同窓会。長い時間の隔たりで完全に理解し合えないほど変わった隣りの席に座ったていた幼い頃からの友達。
春がやってきた。2020年から続くコロナ禍がそろそろ終息する希望を胸に上海と東京を行き来し、五度にもわたる隔離を経験しているが、コロナ禍が終息する前にウクライナで戦争が起きている。世界の暗い情報に、自分は鬱々とした気持ちを隠せなかった。
間違いなく戦争は良くないが、欧米諸国の西側の民主主義がロシア籍の音楽家、文化人に対する制裁は度を越している。ましてや、犬や猫に対する制裁は明らかに愚行だとしか言いようがない。だが、情報化社会の中で、私たちの目は何を観て、何を聞くか、そして何を信じるか、とても判断に苦しむ。
ゼロコロナを目指している中国。ホワイトデーホワイトデイの昨日、深圳が再度ロックダウンした。上海は陽性者が一人でも出たらマンションを封鎖し、全員2週間マンションから離れられないれれない。濃厚密接接触者が一人出たら、その人がいた場所全体が瞬間的に48時間封鎖される事態とになっているた。
知り合いの人が朝起きたら急に家から出られずPCR検査を長い列をなしてまでやらされることへの疑念。コロナと共存を宣言して諸外国となぜここまで違う対策をしているか、理解に苦しむ。だが、ここ上海では皆がさんそれを容認している。
今日もフランス租界地の職場の近くはガラガラの空城記だ。春なのに、私たちは冬を彷徨っている。冬眠している亀のように殻にこもっている。
季節は移り変わって、花は咲き、新芽は吹き出ている。人間はどうだ。ヒラタシノの作品は、そんな問いかけをシノ作品はしているようにも見える。
上海にて Shun